ホテルの正しい利用の仕方LOGO

「音」は案外他の部屋に響く

ビジネスホテルなどでは、客室内ではあまりすることがありません。ゆっくりくつろいで寝るだけを想定されて作られているからです。ですが、テレビやインターネットなどの設備はそろっています。また、旅行などでツイン以上の部屋に宿泊する場合は、同室の人との「会話」はもちろん行えます。

そこで気をつけたいのは「音」です。テレビはもちろん、インターネットで再生する動画などの「音量」、そして同室の方との会話の声の大きさです。ホテルは「くつろぐ」ところです。ゆっくりと休む場所なのです。そこに訪れ人のほとんどは寝ます。そして、それぞれの人がどのようなサイクルで体を休めるのかはわからないのです。朝早い仕事であれば、8時台には寝ているかもしれません。夜遅くまで活動していた人は、ホテルに入る時間が深夜になる可能性もあるでしょう。どのようなリズムで、どのような時間に何をしているのかは時にさまざまなのです。

ですから、何時であっても、基本ホテルでは「静かに」するということが基本です。ホテルは限られたスペースに最大限客室を設けたものです。壁の向こうはすぐ隣りの部屋なのです。そこではすでに休んでいる人がいるかもしれませんし、またチェックインしていない部屋かもしれません。となりの部屋にどのような人がいるのかを覗き見ることはできません。また、ホテルの人に聞いても教えてはもらえません。なぜなら、「プライバシー」は守らなければいけないからです。

その守られたプライバシーが、他人が何をしているのかを探る妨げになっています。「わからない」から、どうであってもいいように配慮をするのです。配慮の相手がすでに休んでいるかもしれない、あるいはまだチェックインしていないかもしれない。わからないこそ、配慮をするのです。相手がわかっていれば、ある程度の空気感で配慮することができます。どのような人が何をしているのかがわかっていれば、その「間」に合わせることができるのです。ですが、それは親しい間柄でなければ不可能です。同じホテルの違う部屋に滞在しているのは、見ず知らずの他人です。本当にいるのかどうかもわからない状況です。もしかしたら周囲の部屋が空室であれば何をしても何も言われないかもしれません。ですが、だれかがいれば「クレーム」が発生するかもしれないのです。

ホテルにとって宿泊客同士のトラブルは迷惑以外のなにものでもありません。トラブルを仲裁するのはホテル側です。トラブルを起こしてストレスを発散するのは宿泊客の勝手なのです。常識があれば、極力無用なトラブルは避けるべきです。トラブルは「配慮」で回避できます。ホテルの構造は防音ではありません。ですから、どのような音を立てる際も「隣に聞こえていないか」かということを気にして活動するべきなのです。

一度気になってしまった違う部屋からの物音は、一度気になるとずっと気になってしまうものです。一度気になるとなかなか頭からはなれないものです。ですから、そのような物音は回避するのが一番なのです。静かにくつろいで誰にも迷惑をかけない。それがホテル利用の最低限のマナーです。それは団体であっても変わりません。

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